園芸学研究
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繁殖・育苗
体細胞胚形成を経由したシクラメンのin vitroでの植物体再生に及ぼす温度の影響
高村 武二郎名木田 由香田中 道男
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2003 年 2 巻 1 号 p. 25-28

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抄録
シクラメンの体細胞胚形成と体細胞胚の生育に及ぼす温度の影響を調査した.カルス誘導およびカルスからの体細胞胚誘導を20,25または30℃で試みたところ,25または30℃で形成されたカルスと比較して,20℃で形成されたカルスは継代培養においてごく少数の体細胞胚しか形成しなかった.また,15,20または25℃における体細胞胚の発芽と生育を調査したところ,25℃では体細胞胚の発芽および生育が明らかに阻害された.なお,体細胞胚の発芽には20℃が,発芽後の生育には15℃が適しているものと考えられた.これらの結果から,シクラメンの体細胞胚形成及び体細胞胚からの植物体再生には各培養ステージでの好適温度条件が異なることが示唆された.
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© 2003 園芸学会
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