本研究では,カンキツ7品種(‘青島温州’,‘不知火’,‘せとか’,‘はれひめ’,‘西南のひかり’,‘津之輝’ および‘麗紅’)を用いて,着果条件および果実外観と果汁中の糖度あるいは酸度との関連を調査した.着果条件および果実外観と糖度あるいは酸度との相関を解析した結果,すべての品種において,着果の高さは糖度に影響し,また,果実横径が大きいほど糖度が低かった.着果部位,結果母枝および結果枝の形質および果実外観のすべての測定値を用いて糖度あるいは酸度の決定木分析を行ったところ,品種間で結果が異なった.‘青島温州’ および ‘不知火’ の決定木では,a*値が高いほど果汁中の糖度が高いことが示唆された.また,調査されたすべてのカンキツにおいて,横径あるいは縦径が小さいほど糖度が高かった.酸度の決定木では,‘青島温州’以外のカンキツで果実横径あるいは縦径が酸度に強く関連することが示唆された.