2022 年 21 巻 2 号 p. 165-173
黒ボク土におけるニラ栽培において,葉中硝酸イオン濃度が低く,収量が高くなる施肥法について検討した.葉中硝酸イオン濃度および土壌中硝酸態窒素含量は,化学肥料の基肥および追肥の窒素量が多いほど高かった.C/N比が高く窒素無機化が遅い堆肥では600 kg・a–1の施用により,土壌中硝酸態窒素含量および葉中硝酸イオン濃度が比較的低く,収量が高かった.作付け前土壌の硝酸態窒素含量および可給態窒素を分析することで窒素減肥量を推定し,これを標準施用量(窒素2 kg・a–1)から差し引き,肥効調節型肥料による追肥を行うことで,葉中硝酸イオン濃度が比較的低く,収量が高かった.これらの結果から,葉中硝酸イオン濃度の低減と収量増を同時に可能にするための黒ボク土におけるニラの新たな肥培管理法として,堆肥を600 kg・a–1とし,作付け前土壌の可給態窒素含量および硝酸態窒素含量の測定値に基づいて窒素基肥量の減肥を行い,肥効調節型肥料による追肥を行う施肥体系を提案する.