2023 年 22 巻 1 号 p. 63-69
低軒高(2 m以下)単棟の園芸用パイプハウスを対象にCFD(computational fluid dynamics)解析を用い,トマトの植栽の影響を考慮したモデルを作成して,内部環境の再現を試みた.その結果,解析値と実測値に差があるものの,有風時・無風時それぞれにおける内気の温度変化を捉えることができた.次にこのモデルを利用し,天窓開口比率と排熱効果の関係を検討した.その結果,無風時・有風時を問わず,開口面積比率が小さいほどハウス内に多くの熱が滞留する傾向がみられ,開口面積比率が大きい方が,排熱効果が高いと判断できた.しかし,ハウス床面積に対する開口面積比率が12~16%では大きく変わらなかった.これより,同様の概形をもつハウスにおいて,ハウス床面積に対して天窓の開口面積比率を12%とすると排熱に効果的であることが示された.