微酸性電解水の通風気化がキュウリの成長とうどんこ病抑制に及ぼす影響を調べた.毎日夕方6:00~翌朝6:00の夜間12時間,一定のサイクルで通風気化を繰り返すことにより,作物への過剰な水分の付着を防ぎ,自動化による省力化が可能となった.通風気化はうどんこ病の病徴拡大を抑制したが,10分間気化/20分間休止を繰り返すと,葉や果実に生理障害が発生した.10分間気化/110分間休止では,十分なうどんこ病抑制効果が得られなかった.10分間気化/50分間休止の場合,生理障害は抑制できたが,長期間通風気化を続けると,葉の成長が阻害された.また,一度うどんこ病が発症すると,その後に通風気化を続けても病徴の拡大を抑制することは困難であった.一方,16葉期まで化学農薬を使用した後に10分間気化/50分間休止を行うと,うどんこ病の発症と病徴の拡大が大きく抑制され,葉の成長阻害も少なかった.従って,育苗期は化学農薬などによりうどんこ病の発症を防ぎ,株が十分成長して収穫期になった頃から通風気化を行うことで,化学農薬の使用削減とうどんこ病の発症抑制効果が期待できる.