抄録
淡路島の諸海岸の砂の起源を特定するために,島内の18の海浜砂とそれに関係すると予想される河川の河川砂を採集した.筆者が前報で提案した砂の色による分析方法を適用するとともに,砂粒子の形状特性を分析した.加えて,各河川の流域地質特性を把握することによって,砂の色の成立要因について考察した.河川砂の色は,地質条件によって大きく異なり,火成岩地質を擁する北部地域においては黒系統で淡い色を,大阪層群優勢の流域では淡い茶色系統の色を,南部の和泉層群を擁する地域においては暗い色を有することがわかった.海浜砂の色は,河川砂ほど明確な色の差異はなく,これは風化,養浜,海浜間の砂の移動等が影響していると考えられる.