2023 年 22 巻 2 号 p. 141-154
国内における五寸ニンジン(以下,五寸)は,産地間のリレー栽培による周年供給体制が確立されているものの,ミニニンジン(以下, ミニ)は,周年供給されておらず,五寸の作型に合わせて国内各地で栽培され流通しており,出荷規格が統一されていない.本研究では,暖地においてミニの同一地域内における周年栽培の可能性を検討するため,4年間にわたり計20回播種し,ミニおよび五寸の播種時期および栽培期間の違いが収量および生育に及ぼす影響を調べた.その結果,暖地におけるミニは,播種時期ごとに栽培期間(生育速度) が異なり,10~2月播種を除き,播種後110日までに出荷規格に達した.地下部新鮮重に基づく出荷規格の最小値はミニが10 g,五寸が70 gとされており,出荷規格に達するまでの栽培期間はミニが五寸に比べて短かった.しかし,低温期は,出荷規格に達するまでの栽培期間が慣行である4月播種に比べて長かった.そのため,保温資材の利用や栽植密度の調整などにより栽培期間を短くすることで, ミニの周年栽培の可能性が示唆された.