園芸学研究
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栽培管理・作型
青森県におけるニンニク‘福地ホワイト’の収穫期の予測
今 智穂美松田 正利谷川 法聖庭田 英子鎌田 直人
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2024 年 23 巻 1 号 p. 31-36

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抄録

2011~2021年産にかけて青森県でニンニク‘福地ホワイト’を対象に透明マルチ栽培で試験を行った.平均の消雪日は3月7日,りん片分化期は4月19日,A品収量が最も高くなる収穫期は6月30日であった.りん片分化期は消雪日から約220°C・日の積算気温で到達し,収穫期はりん片分化期から約1010°C・日の積算気温で到達した.収穫期の予測に用いるため,消雪日もしくはりん片分化期から一定の積算気温で達する推定の収穫期と実測の収穫期の誤差を求め,RMSEが最も小さくなる積算気温を決定した.その結果,消雪日後積算気温1240°C・日以上に到達した月日を収穫期の推定値とすると,実測値とのRMSEは4.15日であった.また,りん片分化期後積算気温1010°C・日以上に到達した月日を収穫期の推定値とすると,実測値とのRMSEは4.00であった.さらに,栽培途中に収穫期を予測するため,積算気温を活用し気温の平年値と実測値から,予測値と実測値の誤差を算出した.その結果,消雪日以降平年値を用いると約7日,消雪日後90日以降平年値を用いると約4日,りん片分化期以降平年値を用いると約5日,りん片分化期後50日以降平年値を用いると約3日のRMSEで収穫期を予測できた.

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