園芸学研究
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土壌管理・施肥・灌水
露地栽培ウンシュウミカンにおける周年マルチ点滴かん水同時施肥法の効果
森永 邦久吉川 弘恭中尾 誠司関野 幸二村松 昇長谷川 美典
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2004 年 3 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

ウンシュウミカンの省力的高品質果実生産技術の開発を目的として,新しい栽培法である「周年マルチ点滴かん水同時施肥法」を開発した.この方式を導入して栽培したウンシュウミカン場合の果実品質に対する効果,管理作業の省力性や地下部への影響などについて調査,解析を行った.その結果,果実品質は糖度は約2度ほど向上し,適度なかん水によって酸度もほぼ適正値に維持された.省力については特に除草や施肥管理時間が減少し,年間17.5 hr/10 aの管理時間短縮効果が見られた.また,土壌表面の塩類集積も栽培開始後3年目では認められていない.周年マルチにより年間の地温較差が軽減され,特に夏季に細根が保護されていることがうかがえた.これらから,本方式がウンシュウミカン栽培において,高品質果実の省力的安定生産に有益であることが示された.

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© 2004 園芸学会
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