抄録
温度要因,特に夜間の高温がブドウ果実のアントシアニン生合成に及ぼす影響を明らかにするため,異なる温度条件で生育したブドウ‘黒王’果実を用い,フラボノイド含量,関連酵素活性を調査した.実験は2年間にわたって行ない,温度条件は昼夜25℃恒温区と昼25℃/夜15℃の変温区(2000年),昼夜30℃恒温区と昼30℃/夜15℃の変温区(2001年)とした.果皮のアントシアニン含量は,昼温25℃条件の場合では恒温区で高かったが,昼温30℃条件の場合では恒温区すなわち夜間高温条件で著しく低かった.中間代謝産物であるフラボノール,プロアントシアニンは両年とも恒温区で高く推移した.PAL活性は夜間温度の影響はほとんど受けなかったが,UFGT活性は夜間温度が低い変温区の果実で恒温区より高く,変温区の果実では中間代謝産物よりもアントシアニン蓄積が促進された.