園芸学研究
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栽培管理・作型
カキの主枝基部腹接ぎによる更新方法-‘西条’における環状はく皮, はく皮逆接ぎによる更新枝の早期拡大-
持田 圭介
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2005 年 4 巻 1 号 p. 59-62

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抄録
変則主幹形, 4本主枝の11あるいは15年生‘西条’を供試し, 軽度の発芽不良症状が認められる樹を, 優良なB型系統の腹接ぎによって更新することを試みた. 各主枝の主幹分岐部から約50cm上部2か所に, ‘西条’優良系統を腹接ぎした. 新系統主枝の早期拡張を目的として, 腹接ぎ直上部へ0.8~1.0cm幅で環状はく皮またははく皮逆接ぎを行った.
1. 穂木からの新梢伸長は, 環状はく皮とはく皮逆接ぎ処理により促進した. また, 腹接ぎ初年度における穂木新梢中の全炭水化物含量は, 環状はく皮とはく皮逆接ぎ処理により有意に高まった.
2. 接ぎ木2年後の主枝延長拡大率は, 環状はく皮とはく皮逆接ぎ処理区では70~80%であり, 無処理区より20~30%優れた.
3. 環状はく皮とはく皮逆接ぎを比較すると, 穂木からの新梢伸長促進効果に有意な差は認められなかったが, はく皮逆接ぎ処理により旧主枝の果実肥大が有意に優れた. 4. 穂木からの新梢伸長促進効果を目的とする場合, はく皮処理時期は開花期頃(6月上旬)が適当と考えられた.
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© 2005 園芸学会
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