2005 年 4 巻 1 号 p. 63-68
慣行的なかけ流し方式のロックウール栽培システムを用いたかけ流し区と, このシステムに我々が開発した排液再利用ユニットを取り付けたロックウール栽培システムとで, トマトを9月から6月までの9か月間栽培した. 培地内培養液の無機成分濃度は試験区によって異なり, 排液再利用区ではかけ流し区に比べて, P, K, Ca, Mn濃度が低く, B, Na濃度が高かった. しかし, 葉の多量成分濃度やNa濃度は試験区間に大きな差異がなく, 茎葉の生育や果実収量にも差異がなかった. 以上の結果, 排液再利用ユニットを市販のかけ流し式ロックウール栽培システムに取り付けることで, 培養液の廃棄量を著しく低減できる循環型の長期穫りトマトロックウール栽培が可能であることが示された.