抄録
リンゴ‘ふじ‘と‘恵’を供試して着果程度と種子の有無の処理を施し, 果台枝頂芽の糖類およびGA含量と花芽形成との関係について検討した.
果台枝頂芽における翌年の着花率は, 不着果および無種子果着果に比べ, 有種子着果の方が低かった. 果台枝頂芽の新鮮重は, 6月初めにどの処理も同じだったが, 7月初めに無種子が有種子の着果より大きくなった. 果台枝葉の同化産物の果台枝頂芽への分配は, 種子よりも果実の存在によって影響され, 果そう当たりの果実乾物重が大きいほど減少した. また, 6月初めにおける果台枝頂芽の糖類含量も, 着果の程度が強くなるほど減少した. 着果により頂芽内で減少する糖類は, ソルビトールとグルコースで, スクロースは変化しなかった. 6月初めにおける果台枝頂部のGA含量は, 不着果と無種子1果の果台枝の方が有種子1果と3果の果台枝より低く, 着果よりも種子の存在により増加した.