抄録
ヤマアジサイの鉢物生産技術を確立するため,ヤマアジサイの着花特性を解析し,さらに挿し木時期と摘心が花房の着生に及ぼす影響を調査した.ヤマアジサイ16品種の着花特性を調査した結果,ほとんどのヤマアジサイは腋芽にも花房を着生する頂腋芽着花型品種であった.また,ほとんどのヤマアジサイの花芽分化は,10月下旬に始まり,11月下旬にはがく片形成期から花弁形成期となった.しかし,‘白扇’と‘マイコアジサイ’のがく片形成期は12月下旬であった.頂腋芽着花型である‘七変化’および‘シチダンカ’を6月上,中および下旬に挿し木し,鉢上げ5週間,6週間後に摘心した.‘七変化’の花房の着生数は挿し木時期が遅いほど減少した.また,摘心によって側枝数は増加したが,花房の着生数は無摘心に比べて減少した.以上のことから,頂腋芽着花型のヤマアジサイに関しては,6月上旬に挿し木し,その後摘心を行わずに管理することにより,十分な花房数を確保できると考えられた.