園芸学研究
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栽培管理・作型
‘ゴールド二十世紀’果実の糖蓄積に及ぼす葉果比の影響
池田 隆政田村 文男吉田 亮
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2008 年 7 巻 2 号 p. 215-221

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抄録
ニホンナシ‘ゴールド二十世紀’の収穫前の糖度推定法および成熟期の糖蓄積に及ぼす葉果比の影響について調査した.収穫1か月前から収穫までの期間における,携帯型糖度センサーによる樹上果実の糖度推定は,測定日ごとに異なるバイアスが生じるものの,屈折式糖度計測定値とセンサー測定値の相関関係は高いことから,バイアスの調整により可能であった.‘ゴールド二十世紀’の収穫前30日間の糖度変化を5年間調査した結果,この期間中の糖度変化は1.4~2.3度であることが明らかになり,収穫前における糖度予測の可能性が認められた.収穫1か月前に摘果により葉果比を変更し,その後の糖度変化を携帯型センサーで調査した.糖度は,葉果比が高い処理区ほど高くなった.この傾向は,処理後2週間目から認められた.同じ着果密度でも,葉枚数を少なくした処理区では,糖度の上昇程度は少なく適切な葉果比の確保が高品質果実の生産には重要であることが示された.葉果比と糖度の関係から検討した結果,糖度11度以上の果実を得るための葉果比は35~50と考えられた.
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