抄録
グロリオサ茎頂を走査型電子顕微鏡を用いて詳細に観察して花芽分化・発達の様相を明らかにするとともに,生育との関連も調査し,品種間差異や花芽分化・発達の季節的変動について考察した.グロリオサの花芽分化・発達の様相はテッポウユリのそれに近似していたが,内・外花被原基が同じ形態を持つ点はチューリップに近かった.また,普通葉の大半は定植前の催芽処理時に分化していた.主要3品種を12月,4月,7月に定植すると,‘ミサトレッド’と‘トロピカルレッド’では定植時期にかかわらず,定植後に10葉ほど分化した後の約30葉期で花芽分化したが,‘ローズクイーン’では7月定植で47葉期に花芽分化し,12月や4月の定植でのそれよりも10葉期以上遅れた.このような品種間差は,花芽分化に対する温度反応特性の違いによって生じ,高地温によって花芽分化が抑制される品種があると推察された.ただし,分化後の花芽の発達は品種にかかわらず高温で促進された.