抄録
製品イノベーションマネジメントを議論する際に製品および事業のライフサイクルを考慮することは不可欠である。P2Mでは3Sモデルに基づいたプロジェクトライフサイクルを考慮したプログラムアーキテクチャを提供している。したがって、製品イノベーションためのフレームワークとしてP2Mを適用することは問題ない。製品イノベーションのためには、システムモデルが重要であることはP2Mの既往研究で明らかとなっている一方で、日本の製造業におけるしくみの多くは経済成長とともに構築されてきたものであり、当時の環境変化の速さとIT技術が発達した昨今の変化の速さは比類できず、劇的に変化する環境下には適応できていないと思われる。したがって、環境変化に合わせて製品イノベーションのための構造を構築しなければならない。本論文では製品イノベーションを起こすための3Sモデルを通したフレームワークのあるべき姿について提案し、ホンダの事例を通して説明する。