2019 年 13 巻 2 号 p. 300-308
本研究では、プロジェクトリスクのプロセス管理手法として、P2Mの3Sモデル(スキーム、システム、サービス)を用いて、リスクをポートフォリオによって管理するモデルを提案する。ポートフォリオによりリスクを管理することで、リスクをプロジェクト全体の視点から鳥瞰することができるようになる。そして、リスクの重要性を判断するため、どのリスクへの対応を優先し、どのリスクの対応を控えるか、プロジェクト全体のリスク許容の判断が可能となる。本研究では、個々のリスクに対する対応ではなく、プロジェクト全体としての許容できるリスクへの対応を最適な状態に近づけるリスクマネジメントのプロセスを考察する。