抄録
システムの考え方を社会問題へ適用しようという考えは、ジェイ・フォレスターの“アーバン・ダイナミックス”を嚆矢とする。それ以来、大規模社会システムの設計や構造の解析に適用し、社会的課題の解決に結び付けようという試みは、長年にわたって行われてきた。近年、このシステムの考え方を用いて、社会システムをデザインして、地球環境問題やエネルギー問題などの課題解決に適用して、持続可能な社会を構築しようという動きが出て来ている。このデザインしたものを具現化して、実際に活用して初めてデザインが生きて来る。プログラムのマネジメントは、このデザインされたものをプログラムとして捉え、このデザインを具現化し、実際に活用するところまで持っていくようなマネジメントを行う事が役割となるが、そもそも社会システムとしてデザインされたものをプログラムとして捉えられるかというところから、考える必要がある。ここでは、社会システムのデザインとプログラムの関係、プログラムマネジャーの役割、進め方や問題点、対応などを明確にするものとする。