抄録
ナレッジマネジメントという言葉が叫ばれるようになってから、10年以上の月日が経過した。その間に、企業とそれを取り巻く環境は大きく変化し、ナレッジマネジメントという言葉が持つ意味も変わりつつある。ナレッジマネジメントは、今では社内の情報を蓄積するだけのシステムではなく、価値創造のナレッジマネジメントへ変わりつつある。この流れは、現在企業の中で起こりつつある情報共有の新たな潮流になりつつある。従来から存在する情報(Information)は、データ(Data)と文脈/背景(Context)により構成されている。一方で、知識(Knowledge)は、情報(Information)に経験(Experience)を加味したもと考えられる。したがって、経験から得た情報を知識として定義し、資産した上で、共有化されているのである。本稿では、知識資産の体系と可視化のしくみについて、最近のIT技術の適用などを併せて、事例を交えて述べる。