抄録
今日の市場グローバル化と個性多様化の中、多くの製品・サービスは技術的な性能や価格のみでは価値を創造できず、新たな価値創造が企業の大きな課題であることは自明である。そのような状況の中、新たな顧客目線の価値創造能力として感性の重要性が論じられており、個人特有の能力から組織的な能力への展開、感性能力の創出活動などの取り組みが行われてきている。感性の能力は組織内の一員以外に組織外の立場も取り込み複眼的な視点を持つことが必要であり、その創出には生活者になる時間的『ゆとり』とそれを生む『ワークライフバランス』をとることが重要であると考える。ここでのワークライフバランスとは、個人の時間を有効にマネジメントしてその結果仕事に活かすチャンスを生み出す視点においている。本論文では組織の感性の能力創出の観点から新たなプログラムマネジメントの展開の考察を行って、身近の事例を当てはめてプログラムマネジメントでは人間力としての思考の持ち方が今後一層重要となることを主張する。