抄録
バッチプロセスでは、設備は共通のものを利用し、製法を工夫して新規の製品が製造されるケースが多い。新製品のためのレシピ設計業務は、複数の製品に対して並行にあるいは順番に実施されるが、個々のレシピ設計業務には手戻りが多く、その管理は経験に依存していた。本研究では、レシピ設計のシステム化が新製品の迅速生産の鍵となると考え、研究開発から市場化までのレシピ設計過程のモデル化を試みる。モデルにはレシピ設計の各業務の信頼性を表す「確信度」という指標を新たに導入し、その値により業務の手戻りを表現する。そして、複数の開発プロジェクトを推進する組織力を向上させるためのマネジメントについて、作成したモデルに基づくシミュレーションを利用した解析方法を提案する。