抄録
本稿では、アジア太平洋リージョン(中国、韓国、日本、ASEAN諸国、大洋州諸国)に如何に再生可能エネルギー網を構築するかについて、既にプロジェクトが始動しているEU、北アフリカ諸国、中東諸国を巻き込んだDESERTECコンセプトをベンチマークとして論じる。折しも東日本大震災が、日本の(そして世界の)原発計画に残した爪痕は大きいが、だからと言って原子力をすべて廃棄するほど事は単純ではない。アジア太平洋リージョンにクリーン・エネルギーを浸透させるにおいて何がネックとなるのか試案を提示したい。この試みは、壮大なプロジェクト組織実験である。