抄録
世界の国々を取り巻く気候変動問題は、地球温暖化対策やカーボン市場などの環境ビジネスを牽引する西洋諸国が主導権を持つ状況にあり、気候変動は人為的CO_2排出が要因とする一般認識は、西洋型メンタリティがその構築を支配しているといえる。本稿では、現状の欧州主導型気候変動対策プロセスとP2Mとの関連を示し、高いレジリェンス(回復性)をもった気候変動対策システムを形成することを将来的な課題とした、東洋型リスクマネジメント構築に向けたP2Mのフレームワークを提唱する。従来のP2Mがもつ直線的なマネジメントモデルから中庸的なリスクマネジメントを導き出すために、気候変動問題を題材に西洋と東洋のメンタリティの違いから方法論としてのアジアを考える。