抄録
研究開発(R&D)プログラムマネジメントを成功させるためには、複数の有機的に結合されたプロジェクト全体を俯瞰した上で、プログラムの適切なタイミングにおいてタイムリーなマネジメントを行う必要がある。しかし、こうした全体を俯瞰したマネジメントがタイムリーに行われていない場合が多い。その原因として、R&Dプログラムマネジメントを実践するために必要な方法が、実行可能な形態で提供されていないことが一因だと考えられる。そこで本研究は、
R&Dログラムマネジメントを実践するためのプロセスモデルを提案する。プロセスモデルを用いることにより、R&Dプログラムの進行に応じて、いつ、どの様な事に注意してマネジメントすべきかが把握できる。作成したプロセスモデルを用いて、実際のR&Dプログラムの記録を分析した結果、マネジメントの知見を体系的に把握することができた。この結果は、プロセスモデルの有用性を示唆する結果であると考える。