抄録
グローバル化がますます進むプロジェクトでは、関与するステークホルダが増加し、複雑化した相互関係がステークホルダ間にコンフリクトを引き起こす。コンフリクトはリスク転化への環境要因であり、プロジェクトにおいて適切な対応をしなければ工期遅れや損失を生み出してしまう。通常、コンフリクトへの対応には交渉が用いられる。交渉問題における非ゼロ和交渉は、協調的折衷案を創出する手法としては十分効果的であると考えるが、より納得の得られる新たな案を創出する手法への適用はなされていない。そこで本研究では、協働的交渉を行うことを目的として、意思決定者が持つそれぞれの価値観を共有した上で代替案を創出するための手法を提案する。