抄録
社会的価値創出活動には他の事業組織との協働が不可欠となる場合が多い。このため、各組織の協働する取り組みを分析して、持続的に価値を生み出す構造を明らかする。他組織との協働により事業を展開する際には自らの組織の内部プロセス改善が図られることが望ましい。このような改善プロセスの持続は、パートナー企業における内部組織機構にも有効に働き、互いの機能改善がさらなる価値創造へと結実していくことになる。このような構造が実現される時、企業の経済的価値創出活動と社会的価値創出活動との間に有機的な関係性を認めることが可能になる。本稿では、目的および活動実態の異なる事業主体間で社会価値実現のために協働関係を構築するプロセスについて議論する。