抄録
GAFAに見られるデジタル企業の躍進は、私たちの日常生活に大きな変化をもたらしている。これらの企業のビジネスモデルとしては、企業が提供する製品やサービスの利用者と実際に売り上げにつながる料金を払う顧客が異なる事例が多い。これは、古くは、テレビの民間放送に代表されるように、コンテンツを無料で提供して、視聴者に届け、売り上げとしては、企業の広告宣伝に頼るというのと同じビジネスモデルとなる。古いモデルの場合は、通信回線の占有などで規制があったために、参入企業が限られていたが、デジタルでは、その規制が緩いために、スタートアップを含む多くの企業の参入を促進している。
この新しいビジネスモデルの構築は、新事業開発となり、プログラムのマネジメントが求められる。ここでは、このような背景を鑑み、デジタル技術を用いた企業変革をプログラムマネジメントの観点から取り上げ、タイプごとに分類したうえで、デジタル変革とプログラムの関係、プログラムマネジャーの役割、進め方などを明確にするものとする。