抄録
2019年度に開始された「休眠預金等活用制度」は、行政では対応困難な公益的な社会課題を、民間主導で解決を目指す仕組みであり、事業評価に留まらない成果を把握する「社会的インパクト評価」が組み込まれていることが特徴的である。本論は、一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)が実施している「地域活性化ソーシャルビジネス成長支援事業」の事例を通じ、特に「社会的インパクト評価」の枠組みをP2M理論の手法を活用して分析・考察し、現状の休眠預金等活用制度の評価などにおける課題を整理するとともに、公益的な価値の実現のための望ましいプログラムマネジメントへの改善のあり方を明らかとした。