抄録
和歌山県みなべ町は日本一の梅の産地である。全国で3割の生産量を誇り、町民の約7割が梅産業に従事している。同町は隣接する田辺市と共に2015年「世界農業遺産」(国連食糧農業機関)に認定され、その後SDGsに取り組んできたが、昨年「SDGs未来都市」(内閣府)への申請を準備し、2024年5月に認定、「自治体SDGsモデル事業」にも選定された。その計画立案プロセスにいかにP2Mの管理手法を適用したか報告する。そのうえで、世界農業遺産認定地域におけるP2Mを活用したSDGsの取組事例の分析から、農村地域におけるSDGsの取組方法に関する普及手法について考察する。