2023 年 71 巻 3 号 p. 1134-1139
『佛子必覽』(1931)と『釋門儀範』(1935)にある‘往生淨土符食法’の種類と活用方法,意味を調べることを目的とする.『佛子必覽』と『釋門儀範』は,韓国の仏教儀式の體系化と近代化という点で重要な位置を占める儀式書である.特に,朝鮮後期の韓国仏教では儀式集の集中的に刊行された.今回の研究では,死者を浄土に往生させる‘往生淨土符’を摂取する過程に焦点を合わせたものである.主に,‘往生淨土符食法’と三長六齋日の関係性と展開についての考察である.この符を燃やし,その灰を水に溶かして摂取する行為は見えない力を内在化することである.つまり,この符を通して韓国仏教の符籍に関した側面を見ているが,それは浄土に生まれ変わりたいという仏教的な側面を意味する.並に,神秘的な符籍が仏教儀式の一部として使われたことも分かる.