日本感染管理ネットワーク会誌
Online ISSN : 2759-7822
実践活動報告: 第12回学術集会
クリティカルケア病棟の医師および看護師の手指衛生回数改善に向けた感染制御部の支援
兒玉 知久眞名井 理恵
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2025 年 21 巻 p. 24-27

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抄録

クリティカルケア病棟(以下A病棟)は,1日1患者当たりの手指消毒薬使用回数が低下傾向にあり,多剤耐性菌の検出も増加していたことから,交差感染の可能性が懸念された.そこで,A病棟に対してジョン・P・コッターの組織変革の8段階プロセスを用いて感染制御部が行った支援について,手指衛生回数の推移やA病棟職員の言動から分析を行った.

まず,推進チームをつくり,その推進チームがビジョンを掲げられるように,A病棟の手指衛生や耐性菌の現状について情報提供を行った.また,感染制御部はカンファレンスや勉強会の機会だけでなく,スタッフ個人に対しても直接指導した.推進チームはA病棟スタッフに対し,カンファレンスの機会でビジョンの周知徹底を行った.

危機的な状況であり,早急な改善が必要であったため,感染制御部が主体的に計画立案を行った.具体的には,推進チームとともに,手指衛生の知識習得を促す取り組み,手指衛生遵守率の調査,手指消毒薬使用量のモニタリング,行動の振り返りの実施を立案した.その結果,6段階までの実施であったが,手指衛生回数は増加した.

外部である感染制御部,内部である推進チームからビジョンを周知したことは,A病棟スタッフ全員の危機意識の共有につながった.感染制御部の支援は,手指衛生回数の改善に効果はあったが,定着させるには推進チームとスタッフの自発的行動を推進する支援が課題となる.

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