2019 年 21 巻 1 号 p. 20-27
目的:マラソン大会に参加する中高年男性が増加し,タイムや順位を目指す者も多いと思われる現状を踏まえ,本研究では国内のトップレベルの中高年男性市民ランナーにおける加齢に伴うマラソン記録の低下の推移を明らかにすることを目的とした。
方法:国内の主要なマラソン大会を網羅した全日本マラソンランキングにおいて,2007年度から隔年で2015年度までの結果を調べ,2007年度の時点で36歳以上かつ,少なくとも2011年度,2013年度,2015年度のすべての年度で年齢別順位100位以内を達成したランナー1,003名を抽出した。対象者を最速年度から2015 年度までの平均年齢によって5歳刻みでグループ分けし,各ランナーの1年当たりのフルマラソン平均速度の変化を回帰係数により算出したうえで,各グループ内およびグループ間の統計量を計算した。
結果:一元配置分散分析の結果,各年齢グループ間におけるマラソン平均速度の1年当たりの減少量に有意な違いがみられた。年齢が高くなるにつれて同減少量は増大したが,特に70歳以降では減少量が大きかった。
結論:トップレベルの中高年男性マラソンランナーにおいては,加齢に伴い1年当たりのマラソン平均速度の減少量が徐々に増大し,70歳前後を境に加速することが示唆された。