情報通信政策レビュー
Online ISSN : 2435-6921
学術論文
日記式調査に基づくスマートフォン利用者の情報行動実態
河井 大介
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2013 年 7 巻 p. E24-E44

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抄録

スマートフォンが急速に普及する中、その利用実態に関して、2012年に行われた東京大学情報学環橋元研究室と総務省情報通信政策研究所の共同調査(全国訪問留置法による日記式調査)に基づいて明らかにした。分析の結果、スマートフォンは従来型携帯電話に比べインターネットを中心とした利用率が高い一方で、その個々人の利用時間は必ずしも延びておらず、モバイルによるインターネット利用のすそ野が広まったといえる。また、テレビ視聴とモバイル利用とのながら行動を分析した結果、スマートフォンユーザーにおいてメールやソーシャルメディアといったコミュニケーション系およびブログ・ウェブなどで行為者率が高く、ブログ・ウェブの利用ではテレビの情報をより詳しくネットで検索をするといった行為が想定できる。そして、スマートフォンでのソーシャルメディアの利用は、利用者のすそ野を広げてはいるが、友達の投稿内容を頻繁にチェックしなくてはならないといったような短い時間での頻繁な利用というより、むしろ自宅でまとまった時間にテレビを見ながらといった利用である可能性が示唆された。また、ネット動画についても、スマートフォンによって利用のすそ野は広がり、同時により様々な場所で利用されるようになり、まとまった時間をとって視聴しているという傾向も示された。

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© 2013 総務省情報通信政策研究所
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