電氣學會雜誌
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外國に於ける電氣料金及料金制
木多 勘一郎
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1924 年 44 巻 433 号 p. 766-792

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抄録

本編は數個の外國に於て現在採用せらるる電氣料金及び料金制につきて説述したものなり。電氣料金制は電氣事業の發達に伴ひ研究行はれ、現在に於ては之等の研究の結果と事業經營の經驗とによりて、數種の基本料金制の確立を見るに至れり。此料金制は全國を通して一般的に採用せられ、之等を基礎として料金を決定するものとす。基本料金制は
(1) 定額制
(2) 從量制
(a) 單一從量制
(b) 「ブロツク」從量制
(3) 需用料金制
(a) 「ライト」需用料金制
(b) 「ホプキンソン」責任料金制
實際に採用する場合には基本料金制を其儘使用するものも尠からざるが、又之等を變化し、組合せて種の形式を異にする料金制を使用す。之等の料金制は次の如し
(1) Straight line meter system:- a) Double tariff system, b) Step meter system,
(2) Block system:- Modified block system,
(3) Hopkinson demand system:- a) Block Hopkinson system, b) Ratable value system, c) Contract tariff system, d) Step Hopkinson system, e) Modified Block Hopkinson system, f) Two charge system, g) Three charge system,
(4) Wright demand system:- a) Block Wright system, b) Step Wright system,
(5) Combined Hopkinson and Wright demand system。 Combined Block Hopkinson and Wright demand system.
本編に於ては(1)基本料金制の發達、種類、用途及料金決定方法(2)從量制及「ライト」需用料金制の最低料金と「ホプキンソン」責任料金制に於ける責任料金との關係(3)北米合衆國、英國、獨逸、瑞西及墺太利に於ける現行電氣料金及料金制(4)力率料金制を説述せり。
交流送電系統に於ける力率の増進を目的として、北米合衆國及英國に於ける多數の電氣事業者は最近力率料金制を採用せり。需用者に負擔せしむべき料金はCost of serviceを標準として決定せらるるものなるが故に、需用者の負荷の力率を考慮して支拂料金に適當なる差等を設くる事は極めて必要なる制度とす。本邦に於ても大電力需用者に對しては此料金制につきて考慮の必要あるものと信ず。

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