電氣學會雜誌
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不平衡容量負荷に對する發電機の自已勵磁現象
高橋 正一
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1925 年 45 巻 446 号 p. 788-804

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抄録

本論文は、昨年七月號本誌記載の「高壓送電線の充電と發電機の自己勵磁現象に就て」に關して筆者が九月電氣學會東京支部講演會の席上で、豫稿に掲載してある以外に、述べたるものに、補足追加したものである。高壓長距離送電線に就て、無負荷充電の際は往々恐る可き、發電機の自己勵磁現象を起して、送電系統を脅すことがあるが、無接地式送電系統に就て、送電線を一線接地すれば、送電線の容量は、發電機に對しては、不平衡容量となり、平常状態よりも尚恐る可き自己勵磁を惹起し易い。本論文には欺るゝ場合の正確なる圖式的解法を與へた。先づ一般に不平衡容量負荷の解法に對して.所謂重疊の理論を應用すれば便利なるを示し、之に依つて不平衡の場合の充電特性曲線、發電子零力率不平衡進電流によつて勵磁せらるゝ飽和特性曲線の正確なる求め方を示した。送電線の一線接地の際も重疊の理論を應用しつゝ、上記兩特性曲線を用ひて、發電機が自己勵磁を起す際の異常電壓、電流の求め方を記し、併せて電壓電流のヴエクトル圖も示した。期の如き自己勵磁現象の實例として、筆者は京濱電力株式會社龍島發電所の遞信省試驗の自己勵磁に就いて數字例を示した。ピーターゼンコイルにて中性點を接地することは、發電機の自己勵磁による異常電壓防止の點より論ずるも極めて、有效である事にも論及して居る。

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