全人的医療
Online ISSN : 2434-687X
Print ISSN : 1341-7150
WHOレクチャーシリーズ
「一病息災」的はたらきを発揮する「医療」を支える「全人」の視点をめぐって
―永田勝太郎『実存カウンセリング』との対話の試み
清 眞人
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キーワード: 一病息災, 小宇宙, 全体, 時層
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2023 年 21 巻 1 号 p. 101-109

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抄録

私は,(公財)国際全人医療研究所代表理事であった故永田勝太郎の著書『実存カウンセリング』と,かつて拙著『ヴィジョンは〈世界〉をつれて』のなかの自分の入院体験を考察した章とをつき合わせ,対話させることによって,改めて次の見解を得た.すなわち,同研究所の説く「全人医療」,とりわけ,そのユニークな実践方法である「芸術療法」とは,患者に次のことを精神的に痛感させることを通して,身体のもつ病への免疫力を活性化せしめ,もって現在治療中の病を「一病息災」の得がたい契機へと変換せしめようとする「心身相関」療法である,と.すなわち,いかに自分が「自分を生かしめる」美しく,愉快な,勇気づける,哀切な諸経験に包まれた「小宇宙」として存在していたかを思い起こさせ,改めて,《他者たちとの絆を通してそうした「小宇宙」として自分をさらに実現し発展させる》ことこそ自分の生の意味だと痛感せしめることを通して.

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© 2023 公益財団法人 国際全人医療研究所
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