抄録
実際に存在するほぼ50,000の物体の分光反射率/透過率を収集した ‘色再現評価用標準物体色分光データベース(SOCS)’が,既にJIS-Technical Report1)として発行されているが,これを更に有効に利用できるように,このデータベースから代表的分光特性サンプルの選択を行った.各物体グループの平均的特性を持つTypical setと,Typical setの各サンプルの条件等色対となる特性を持つDifference setである.本論文では,まずその目的と選択アルゴリズムを述べる.また,選択された365の代表的サンプル(235のtypical set sampleと130のdifference set sample)を評価し,(a) typical setを使うことで,各カテゴリの全データを利用したものと同等の色補正行列が決定できること.(b) typical setとdifference setを使うことによって,カラーセンサの分光特性が既知ならば色再現品質評価が容易に行えること. を示した.