抄録
RGBカラー静止画像をR-,G-,B-の三つの色プレーンに分けた場合,各色プレーンごとの画像は高い相関を持つことが知られている.また,各画像は局所領域ごとに異なる性質(コンテクスト)を持つことも知られている.本論文では,これらの性質を利用することにより画像の持つ冗長度を除去しRGBカラー静止画像の可逆圧縮を行う方法について提案する.色プレーンごとに予測変換を行った予測誤差データに対して色プレーン間の相関を利用して予測誤差の色差成分を生成し,生成された予測誤差の色差成分を局所的な性質を利用してコンテクストごとに分離し,分離されたコンテクストごとに符号化を行う.従来手法との比較実験から,LOCO-I, CALICに比べ符号化効率が14%,13%程度改善され,CREWに対して同等以上の符号化効率を実現できることを確認した.また,処理時間はこれらの従来手法より高速に実現できることを確認した.