抄録
ネットワークを介したコンテンツ配信を安全に行うためには,コンテンツの保護と著作権管理の仕組みが必須である.しかしながら,従来のコンテンツ配信システムは,コンテンツのフォーマットに依存したライセンス条件の管理を行うため,汎用的な著作権管理を行うためには多くの制約を伴った.そこで我々は,柔軟なライセンス条件の管理が可能なアーキテクチャを考案し,コンテンツ配信システムに導入した.本稿では,この著作権保護管理システム(DRMS)のアーキテクチャについて述べる.本システムは,階層化された著作権管理方式を導入し,公開鍵認証方式(PKI)のモデルおよびセキュアなパッケージ化技術などを応用して,ライセンス条件を適切に制御,管理可能な機構を実現した.本システムの有効性を検証するために,インターネットを介した映像配信システムに適用し,その評価を行った.