日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
セッションID: PB-13
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新聞記事から読む「アイビーファッション」の社会的受容について
テキストマイニングを通じて
*松ヶ瀬 美歩中川 麻子中島 永晶
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抄録

本研究の目的は、日本におけるアイビーファッションの社会的受容について明らかにすることである。分析対象は1960年~2017年まで発行された4紙の新聞記事である。記事件数は1960年代14件、1970年代7件、1980年代34件、1990年代90件、2000年代143件、2010年代90件で、計378件であった。アイビーファッションは、1960年代を基準にすると、1970年代に一度減少、以降は増加していた。
1960年代は、「補導」、「物申す」に代表されるような批判的記述が多数あり、1970年代は、アイビーを日本に紹介したヴァンジャケットが倒産したにもかかわらず記事件数が少ないという結果から、社会的な注目度が低かったことも明らかになった。1960年代~1970年代は、みゆき族やみゆき族が着ているファッションという認識が強く現れており、アイビーファッションそのものが認識されていたとは考え難い状況であることもわかった。
1980年代以降の新聞記事によると、アイビーファッションは衰退と再流行を繰り返していた。これはアイビーファッションが社会的受容段階を経て、広く日本のファッションスタイルとして認知されたものとも言えよう。

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