画像電子学会誌
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論文
階層化境界球群を用いた正確な衝突面検出法
藤原 慎也今野 晃市曽根 順治徳山 喜政
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2006 年 35 巻 1 号 p. 20-29

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抄録
三次元空間内における物体間の衝突検出はCAD(Computer Aided Design), 計算幾何学,CG(Computer Graphics)など広範な分野で研究が進められ, 様々な手法が提案されている.しかし,正確に衝突面を検出するには 非常に高い計算コストが必要となり,高速な計算機環境でなければ 実時間で処理するのは困難である.そこで,本稿では, 三次元モデルを覆う階層化境界球群による衝突検出法を提案する. 本手法では,三次元モデルの各面を覆う球群をOctreeに基づき 階層化した階層化境界球群を生成し,階層化境界球群による衝突面 の絞込みを行う.そして,絞り込んだ衝突面同士の干渉を 検出することで正確な衝突面を検出する.衝突面の検出には,干渉 する球群を総当りで検出するので計算コストがかかる.そこで 本手法は,安価な計算機を複数台結合したPCクラスタを利用して, 階層化境界球群を分散することによって, 物体間の衝突面を検出する. これによって,1台当たりの計算コストを削減し, 複雑な物体間の衝突を高速に検出することが可能となる.
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© 2006 一般社団法人 画像電子学会
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