画像電子学会誌
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35 巻, 1 号
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論文
  • 北郷 正輝, 萩原 一郎
    2006 年 35 巻 1 号 p. 2-9
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル フリー
    現在,ディジタル画像の入出力デバイスの解像度は多岐に渡っており,それぞれの入出力デバイスの性能を活かすには画像の解像度変換(拡大/縮小)が必要である.本研究では,画像を関数表現し,関数データを保存する画像情報の圧縮形式 “Function Image Compression(FIC)”を提案する.FICは画像を関数表現するため,解像度変換は関数のリサンプリング間隔で決定され,解像度変換ごとの画像劣化はない.つまり,画像補間と画像圧縮を同時にできる,解像度変換に適した画像圧縮形式といえる.ここではFICの性能を,画像の拡大精度,解像度変換における計算時間,画像圧縮率の三点から評価し,提案手法の有効性,実用性を示した.
  • 北郷 正輝, 萩原 一郎
    2006 年 35 巻 1 号 p. 10-19
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル フリー
    コンピュータ性能の向上やネットワークの高速化に伴い,産業やエンターテイメントの用途に高詳細な三次元形状モデルが広く利用されるようになっている.伝送や記憶保持,表示に要する負荷の軽減のためにも情報量を圧縮することが必要不可欠である. 本研究では,元モデルをメッシュ簡略化した後,CSRBFを用いて陰関数表現し,CSRBFの関数情報を圧縮する三次元形状圧縮手法を提案する.本手法は三次元形状モデルを関数表現するため,ポリゴン頂点の接続情報が不要となり圧縮性能の向上が図れる.また,圧縮ファイルから直接的に陰関数表現の特徴を利用できるという優位点を持つ.圧縮率とモデル再構成精度の比較により,本手法は従来手法より圧縮性能が良く,モデルの細部を再現し,かつ自然な再構成モデルを生成できることが示された.
  • 藤原 慎也, 今野 晃市, 曽根 順治, 徳山 喜政
    2006 年 35 巻 1 号 p. 20-29
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル フリー
    三次元空間内における物体間の衝突検出はCAD(Computer Aided Design), 計算幾何学,CG(Computer Graphics)など広範な分野で研究が進められ, 様々な手法が提案されている.しかし,正確に衝突面を検出するには 非常に高い計算コストが必要となり,高速な計算機環境でなければ 実時間で処理するのは困難である.そこで,本稿では, 三次元モデルを覆う階層化境界球群による衝突検出法を提案する. 本手法では,三次元モデルの各面を覆う球群をOctreeに基づき 階層化した階層化境界球群を生成し,階層化境界球群による衝突面 の絞込みを行う.そして,絞り込んだ衝突面同士の干渉を 検出することで正確な衝突面を検出する.衝突面の検出には,干渉 する球群を総当りで検出するので計算コストがかかる.そこで 本手法は,安価な計算機を複数台結合したPCクラスタを利用して, 階層化境界球群を分散することによって, 物体間の衝突面を検出する. これによって,1台当たりの計算コストを削減し, 複雑な物体間の衝突を高速に検出することが可能となる.
  • 森 克己, 渡辺 浩司, 片桐 重和, 淺野 敦子, 渡邊 栄治
    2006 年 35 巻 1 号 p. 30-37
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル フリー
    コンピュータ·ビジョンやグラフィックス分野では種々の光反射モデルが提案されている. しかし,それらのモデルが含むパラメータは経験的に決められることが多い.その理由の 一つに実験の再現性確保の難しさが挙げられる.試料の姿勢などが異なる実験結果を比較 するためには,実験ごとに試料から輝度の基準値を求めることが必要である.先に,直方体 の試料を用いることで,姿勢の変化に強い垂直拡散反射輝度の推定法が示されている. 本稿では,垂直拡散反射輝度を基準輝度値として用いることで,円柱状に丸く縁取りされた 直方体の稜面の拡散反射輝度を定量的に解析し,稜面における拡散反射輝度値が入射角の 余弦の2乗で良好に近似されることを明らかにする. また,稜面と平面の拡散反射輝度値の定量的な関係式を求める.最後に,6個の試料に対する実験により妥当性を検証する.
  • 佐藤 真知子, 渋谷 奈保子
    2006 年 35 巻 1 号 p. 38-45
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル フリー
    民間ヘリコプタ搭載用のフライトレコーダの開発には,法律上の制約などから機体改変を伴わない方式を考案する必要がある.この条件を満たすものとして,ヘリコプタの計器盤を撮影し,その映像から各計器の指示値を画像処理により読み取る方式が考えられる.読み取るべき計器の多くは指針式のもので,これらについては,2値化,ラベリングなどの通常の画像処理手法により読み取りが可能であるが,姿勢指示器については,指示方式が特殊であるため,同様な方式での読み取りが困難である.本稿では,計器の実形状から作成した投影像と読み取り画像中の計器像が一致するような姿勢角を探索する方式を提案する.飛行中に撮影したデータを用いた実験により,読み取り精度は,指針式計器,姿勢指示器とも,要求精度をおおむね満足するものであることを確認した.
  • 堀内 隆彦, 西川 達則, 小寺 宏曄
    2006 年 35 巻 1 号 p. 46-53
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル フリー
    効率的な画像検索の方法として,類似画像検索(CBIR)の研究が盛んである.近年,個人に適応した検索空間を構築するために,適合フィードバックと呼ばれるシステムとユーザの対話式システムが注目されている.適合フィードバックでは,ユーザの負担を軽減しながら,いかにユーザの意図をシステムに反映させるかが重要な課題となる.従来,検索結果に対して,ユーザが「適合/不適合」を2値または多値でフィードバックさせる方法が一般的であった.この方法は,ユーザへの負担は軽いが,「どのように不適合なのか」という情報をフィードバックしにくい問題点があった.本稿では,「適合/不適合」の度合いを視覚的に表現することによって,ユーザに対して過度な負担を与えずに,「どのように不適合なのか」の適合フィードバックを実現する類似画像検索アルゴリズムを提案する.提案手法では,画像の特徴量を二次元の自己組織化マップ(SOM)として表現し, この空間における距離を利用して類似性を判定する.適合フィードバックは, SOMに配置された画像を,ユーザが適合する場所へ直接移動させることによって, どのように不適合であったのかをフィードバックする.色の類似性を対象とした画像検索実験によって, 提案する適合フィードバックの効果が確認できた.
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