抄録
現在,銀行ATMなどではセキュリティを重視し,暗証番号入力に替わるバイオメトリック認証システムを設ける銀行が増えている.しかしこれらは安心ではあるが,反面その導入コストはかなりの高額となる.また,指紋や手の静脈といった生体情報であるがゆえに,障害などによりユーザが使えない場合や盗難の場合に代替が効かないなどの課題がある.また機器に接触しての認証となるため,人によっては嫌悪感を抱くなどといった心理的抵抗も否定することはできない.本研究では赤外線カメラを使用した非接触型セキュリティキー入力システムの開発を行う.本提案システムは手形状パターンを四つ挙げ,手形状パターンを暗証番号の替わりにしてセキュリティキーとするものである.切り出した手形状より,認識に必要な手の開閉,指の本数,指の種類の判定を行うこととし,その結果からセキュリティキーへの応用実験を行った.45人の被験者中38人がセキュリティキーの認証に成功し,その有効性を示した.