抄録
本研究では,感情を画像生成する技術における新たなコンセプトとして,情動レンダリングシステムを提案する.このシステムは,情動センシング,情動アナリシス,情動適応型イメージシンセシスで構成される.これらによって,画像観察者の生体信号から感情の程度(感情価と覚せい度)を推定して,その程度に合わせてその観察者の感情へ影響を与える画像を生成して表示することを繰り返し処理できるようになる.本稿では,この中の覚せい度へ影響を与える視覚的効果アニメーションを作成し,生体信号へ影響を与えることを示す.また,覚せい度に合わせてこのアニメーションを提示する情動レンダリングシステムを開発し,覚せい度を助長したり抑制したりできることを示す.