抄録
社会や産業のグローバル化の進展に伴い,世界標準に準拠した取組みが様々な領域でその重要性を増している.このような状況下で,世界標準策定に向けた積極的な取組がより重要になってきている.しかしながら,日本では世界標準作りの重要性に対する認識が十分に浸透しておらず,世界標準策定に関わる人材も不足している.また,世界標準化人材輩出に向けた教育も不足している.本論文では,世界標準化に対する教育の状況の調査・分析を行う.次に,これまでに発表された論文や著述等に基づき,世界標準化に取組む人材が涵養すべき知の塊として,国際標準化意義および機関や手続きに関する知見,研究開発と知的財産およびビジネス戦略と国際競争力などに関する知見,交渉や国際標準化戦略構想力を定義する.そして,これらをもとにした大学院生および社会人・企業人を対象にした国際標準化教育プログラムの設計法を示す.更に,設計した国際標準化教育プログラムの開講状況について報告し,受講生へのアンケート結果を紹介することでその評価に代える.