画像電子学会誌
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43 巻, 2 号
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論文
  • 川村 春美, 八尾 泰洋, 米村 俊一, 大谷 淳, 小島 明
    原稿種別: 論文
    2014 年43 巻2 号 p. 164-174
    発行日: 2014/03/30
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    本論文では,2種類の照明光下で固定カメラにより撮像された2枚の画像から照明光色を推定する手法を提案する.提案手法では,2枚の画像が同一シーンを撮像していることを利用し,各画像に共通して存在する被写体領域の色から様々な照明光を仮定した場合に得られる分光反射率を個々に計算して分光反射率の集合を得て,異なる照明光下の画像の同一被写体領域から得られる別の分光反射率の集合との積が共通被写体領域の色に対応することを用いて照明光色を推定する.画像上の被写体領域の色から分光反射率を得る際には,ISO/TR 16066 の色再現評価用標準物体色分光データベースに含まれる「典型的な分光反射率セット」に対し様々な照明光下における画像の色を事前に計算し,照明光毎の画像上の色と分光反射率との関係を用いる.数値シミュレーションによる実験では,従来手法に比較して照明光の種類(黒体放射,実在する照明光) によらず安定的にかつ高精度で照明光色が推定できることを示す.また,実画像を用いた実験では,マクベスチャート画像の個々の色票を共通被写体領域とする場合と,画像全体を1 つの共通被写体領域と見なす場合の両方について照明光色を推定し,従来手法に比較して実際の照明光色との差を小さく推定できることを示す.
  • 盛 磊, 吉野 和芳, 張 善俊
    原稿種別: 論文
    2014 年43 巻2 号 p. 175-183
    発行日: 2014/03/30
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    モルフォロジーによる画像処理技術は画像処理やコンピュータビジョンにおける有効な処理手法として知られている.本論文はカラー画像のビジュアル特性を考慮した,従来とは異なるモルフォロジーアルゴリズムを提案する.これまでのカラー画像のモルフォロジー処理ではあらかじめ画素値ベクトル間の大小関係を定め,その大小関係がすべての画像に適用されてきた.このため,画像によってうまく処理できるケースと処理できないケースとが存在した.本論文では,画像の構造における画素間の目立ち具合を人の感覚に合うように定義した顕著度という概念を提案し,モルフォロジー処理への応用を図った.提案手法では,従来のモルフォロジー処理では得られなかった細い線状ノイズあるいはブロッブノイズの軽減・除去効果を,画像内容に関係なく実現できた.
  • 中西 浩, 岡 哲生
    原稿種別: 論文
    2014 年43 巻2 号 p. 184-193
    発行日: 2014/03/30
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    多くの大学院で,主専攻教育に加えて副専攻教育が実施されている.副専攻教育は,大学院生全てを対象として,副専攻教育プログラムの形で実施され,教育プログラムが掲げる教育テーマ・目標に合致するように,異なる研究科が開講する主専攻科目を複数組み合わせて構成される.学生が,副専攻教育プログラムを履修する際に問題となるのは,副専攻教育プログラムの科目の時間割が,主専攻科目の時間割と重なって履修できなくなる(履修困難になる)ことである.この問題を解決する方法として副専攻教育プログラム構成科目の開講曜日時限を履修困難者が最小になるように移動させる方法を考案し,プログラム構成科目の時間割移動操作順序を遺伝子とした遺伝的アルゴリズムによる,主専攻と副専攻の科目時間割設計アルゴリズムを明らかにした.本アルゴリズムを,主専攻科目2000 科目,副専攻プログラム科目200 科目のケースに適用し,履修困難になる学生数が,約55%に減少する副専攻教育時間割を構成できることを明らかにした.
  • 中西 浩, 岡 哲生, 金谷 利旭
    原稿種別: 論文
    2014 年43 巻2 号 p. 194-202
    発行日: 2014/03/30
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    多くの大学で,シラバス,教育プログラム,研究プロジェクト等の多様な教育研究に関する情報を,ホームページ等に公開している.教育研究に関する情報は,学生の学び,学内での情報共有,他大学での教育研究への取組状況の把握や大学間連携企画などに対して,極めて重要な情報として位置づけられるが,その活用は,極めて不十分である.かかる問題に対処するため,多くの大学のホームページに含まれる情報を一つのシステムに収集し,収集した情報をもとに多面的な情報の抽出・比較・分析を可能とする「大学教育研究情報収集・分析システム」を開発した.本論文では,まず,シラバスの記述・格納方法の多様さに起因するシラバス・クローリングの困難さを解決するため,新たに考案したクローリング手順書を用いたシラバスのクローリング技術について述べる.ついで,収集した大学のホームページから,真に意味ある情報の抽出を可能とする,新たな情報検索方法について述べる.加えて,抽出した情報を分析・比較する機能として,シラバスに含まれる知の抽出方法,および知の俯瞰表示方法について述べる.最後に,上述の新しい技術を導入して開発したシステムを用いて,シラバスの収集と知構造の分析や教育プログラムや研究プロジェクトに関する情報,大学運営施策や諸統計情報等の教育研究情報を収集した際の効用を評価した結果を述べる.
  • 中西 浩, 金谷 利旭
    原稿種別: 論文
    2014 年43 巻2 号 p. 203-210
    発行日: 2014/03/30
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    社会や産業のグローバル化の進展に伴い,世界標準に準拠した取組みが様々な領域でその重要性を増している.このような状況下で,世界標準策定に向けた積極的な取組がより重要になってきている.しかしながら,日本では世界標準作りの重要性に対する認識が十分に浸透しておらず,世界標準策定に関わる人材も不足している.また,世界標準化人材輩出に向けた教育も不足している.本論文では,世界標準化に対する教育の状況の調査・分析を行う.次に,これまでに発表された論文や著述等に基づき,世界標準化に取組む人材が涵養すべき知の塊として,国際標準化意義および機関や手続きに関する知見,研究開発と知的財産およびビジネス戦略と国際競争力などに関する知見,交渉や国際標準化戦略構想力を定義する.そして,これらをもとにした大学院生および社会人・企業人を対象にした国際標準化教育プログラムの設計法を示す.更に,設計した国際標準化教育プログラムの開講状況について報告し,受講生へのアンケート結果を紹介することでその評価に代える.
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