2020 年 49 巻 2 号 p. 128-135
物体認識問題においてHOG特徴量,およびそれを機械学習させて対象物を識別する方式は,きわめて有効な手法として知られており,最近ではさらにその性能を向上させる手法として特徴量の分散の考慮や,多重解像度的な特徴量の構成手法の提案なども行われている.本論文はある適切な範囲のセルサイズとブロックサイズを様々に組み合わせて複数種類の従来型HOG特徴を算出し,これらすべてを学習に利用するというシンプルな手法における画像認識性能を評価している.その結果,特に,顔や身体の実画像を用いた評価実験において,従来型HOGより若干の計算時間の増加は伴うものの,CoHOGやMRCoHOGなど極めて複雑な最新手法に匹敵する学習性能が得られることを示す.