画像電子学会誌
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論文
絵画芸術における色彩スタイルの文化進化モデルに基づく創作者の影響度推定
中村 栄太齋藤 康之
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2024 年 53 巻 1 号 p. 19-27

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抄録

本研究では,絵画芸術における色彩スタイルの進化ダイナミクスと文化伝達について議論する.視覚芸術などの創作文化は,知識の伝達と変形の過程を通じて発展し,創作者間の知識伝達の構造が顕著な進化の規則性を生み出すことがある.最近の研究では,絵画の進化における興味深いトレンドと動的なパターンが見つかっているが,これらのトレンドと文化伝達過程との関係は十分に理解されていない.本研究では,まず,クラスタリング手法を適用して,油絵の色彩分布の時代変化を分析する.その結果,色彩スタイルのクラスターの一部には同期した頻度変化が現れた.これらの頻度変化の同期性が,各々偏ったクラスターに属する絵画を制作する創作者の存在と関連することを示す.次に,色彩スタイルが創作者間で文化伝達される過程を表すモデルを構築し,色彩スタイルが主に1人の創作者から伝達される,影響者主導型のモデルが歴史的データを特に良く説明できることを示す.さらに,このモデルを用いた教師なし学習に基づいて,画像データのみから創作者の影響度を推定する方法を導出し,美術史でよく知られる創作者を高い精度で推定可能であることを確認する.

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