画像電子学会誌
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53 巻, 1 号
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随想
来し方行く末
年次大会2023 Journal Track論文特集号
論文
  • 日比野 友博, 謝 浩然, 宮田 一乘
    2024 年53 巻1 号 p. 10-18
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/10
    ジャーナル 認証あり

    メタバースの文化が進展するにつれて,3Dモデルへの需要は増大し続けている.特に,VR(仮想現実)空間でのアバターを用いたコミュニケーションは,今後ますます重要性を増していくと考えられる.写実的なアバターの生成はすでに多くの手法で可能であるが,アニメ調のアバターの自動生成はいまだ確立されていない.アニメ調の3Dアバターは統一されたトポロジーを持っておらず,また幅広くかつ誇張された特徴を持つためトポロジー間の差異も大きい.本研究では,この問題を解決するために,異なるトポロジーを持つアバターデータから共通のトポロジーを持つ特徴量を抽出するデータセット生成方法を開発した.さらに,メッシュデータとテクスチャデータを独立して抽出することで,異なるモデルから特徴を抽出し,任意の割合で組み合わせることを可能とした.また,これらのデータセットを用いて,ユーザーが少数のパラメータを用いることにより,幅広いアバターの顔を生成できるようなインタフェースが確立可能であることを示した.

  • 中村 栄太, 齋藤 康之
    2024 年53 巻1 号 p. 19-27
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/10
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,絵画芸術における色彩スタイルの進化ダイナミクスと文化伝達について議論する.視覚芸術などの創作文化は,知識の伝達と変形の過程を通じて発展し,創作者間の知識伝達の構造が顕著な進化の規則性を生み出すことがある.最近の研究では,絵画の進化における興味深いトレンドと動的なパターンが見つかっているが,これらのトレンドと文化伝達過程との関係は十分に理解されていない.本研究では,まず,クラスタリング手法を適用して,油絵の色彩分布の時代変化を分析する.その結果,色彩スタイルのクラスターの一部には同期した頻度変化が現れた.これらの頻度変化の同期性が,各々偏ったクラスターに属する絵画を制作する創作者の存在と関連することを示す.次に,色彩スタイルが創作者間で文化伝達される過程を表すモデルを構築し,色彩スタイルが主に1人の創作者から伝達される,影響者主導型のモデルが歴史的データを特に良く説明できることを示す.さらに,このモデルを用いた教師なし学習に基づいて,画像データのみから創作者の影響度を推定する方法を導出し,美術史でよく知られる創作者を高い精度で推定可能であることを確認する.

ショートペーパー
  • 清水 雄哉, 榎田 修一
    2024 年53 巻1 号 p. 28-32
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/10
    ジャーナル 認証あり

    視野を共有しない複数台カメラ間の人物追跡などにおいて,同一人物を判定する人物再同定が重要である.深層学習を用いた人物再同定は高い性能を達成しており,その損失関数として,一般的にCross-Entropy LossやTriplet Lossが用いられる.近年,人物再同定に対するアプローチとして,その両方の損失関数を線形和で用いる手法が注目されている.しかし,異なる性質を持つ損失関数を同時に用いる場合,他方への影響を考慮した重み付き線形和による統合法が必要となる.そこで本研究では,損失関数の学習効率の違いとそのバランスを考慮し,学習中に損失の重みを自動調整する手法を提案する.

一般ショートペーパー
  • 味田 昌樹, 佐治 斉
    2024 年53 巻1 号 p. 33-39
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/10
    ジャーナル 認証あり

    高所俯瞰映像中の車両を追跡し,車両速度と車間距離を継続的に推定するシステムを構築した.車両速度・車間距離の推定のためには,追跡車両の座標を直下視点の座標に変換することが必要となる.また,走行車両を構成する画素数が少ないため,検出・追跡に必要な特徴の抽出が難しい.本研究では,追跡車両の座標を直下視点の座標に変換するために,システムの前処理として俯瞰映像から作成した背景画像と直下視画像中のセンターラインを対応付けて座標変換表を作成した.さらに,車間距離の推定対象となる危険車両は大まかに人間が認識できるため,車両検出・車両追跡のために人間が選択した領域をテンプレート画像として抽出後,テンプレートマッチングを行う手法を採用した.上記を統合し,追跡車両の座標を逐次直下視点座標に変換することで車両速度・車間距離を推定可能なシステムを構築した.

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